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   最古の 岐阜ブランド

 こないだの日曜 ( 11月 13日 )
下呂石 シンポジウムの 2日目。 朝 9時から。



         1-1シンポ2日目








実は ワシ、この日のためにと、1個の石器を持ってきたんよ。


        1-2持参の石器






        1-3持参品


なんか、ツルツルと磨き上げられた棒状の石。
それにミゾが掘り込まれとる。

これは、近所の田んぼのアゼで見つけたヤツ。
ワシが小学生の時に。
当時、担任の先生は、
「これは大昔、魚とる網につかったオモリや。」
と教えてくれたよ。

そのいな昔に、こんなふうに硬い石を加工する技術があったことを
素直にオドロけた いたいけな少年やったワシ。

それにしても、なんで このいにツルツルに磨かなアカンのやろ?

そんな疑問をずっと持っとったんよ。













 
        1-4鑑定人

その疑問を、まだシンポ始まる前に 今日の講師の先生がたにぶつけてみた!


「おお! これは珍しい作品ですねえ!  初めから その辺の石を加工したのではなく、元々は きれいに磨かれた 『 石棒・石剣 』 としてあったモノが、なんらかの事情で折れ、その断片を加工したモノですね。」



             石棒・石剣
               ↓

            石棒・石剣

・・・ちょっと アレですな。


下呂からも、そおいう石剣は出とる。




           1-5結果発表・・・







「それにしても、折れた断片にミゾを入れたにしては、そのミゾを刻む位置が特異ですね~・・・」


確かに。
網のおもりにするには 石に刻みを入れ、そこに糸や紐を巻くのやろうけど、
この石は わざわざ、加工しにくい、「幅の狭い面」にミゾが彫ってある。

また、紐をしばりつける為だけなら、ミゾを彫らなくてもいい。
石の両端に切り欠きかクボミを付ければ済む。




       1-3持参品




          1-4持参品ウラ

しかもミゾは、石をグルッと 一回りしてない。

先生いわく、
「オモリと言うより、もっと別の用途だったかも。 あるいは、オモリとしての象徴のようなモノなのかもしれませんね。」

オモリの神様 ?   またナゾが深まってまったやんか !







なにはともあれ、「 下呂石シンポジウム 」 が始まったよ !

『 旅する下呂石。思えば遠くへ行ったもんだ~ 』





ここで、「 下呂石 」 とは?  あらためて・・・





         1-6下呂石 原石

原石は こんなです。

以前は、「安山岩の一種 (「石英安山岩」「ハリ安山岩」 ) 」、「サヌカイト」・・・などと言われとった時代もあった。

でも、この岩石は、「 湯ヶ峰 」 という火山からのみ産出される、
「 ガラス質 湯ヶ峰 黒雲母 流紋岩 」 となったらしい。

その長ったらしい正式名に、なにか通称(愛称)をつけよまい・・・ということになり、結果、「 下呂石 」に決まったんやと。
「 湯ヶ峰石 」 なんて案もあったけど、全国的に有名な 下呂 を付けた方が、通りがイイってことでね。




それにしても、この石が なんで このいに 注目されるのか?

それは、「 石器の材料 」 として、ドエライすぐれた性質を持っとるから。

割ってみるとわかる。
ドエライ硬く、割れると その面はキメが細かくて、割れ口もスルドイ。
刃物のように薄く剥がすこともできる。

そんな石は、石器を作る材料としてバッチリ !!

下呂石以外にも、そういう性質の石は ある。

いんにゃ、石器素材としての下呂石は、いわば マイナー。

メジャーなのは・・・・









         3-4黒曜石

            「 黒曜石 こくようせき 」 






         サヌカイト

                  「 サヌカイト 」








         チャート
  
             「 チャート 」






それらの石の産出地は、チャートを除けば 限られとる。

黒曜石とサヌカイトは、火山由来の 火成岩。
チャートは、何千万年(何億?)も前の生物の堆積による岩石。

黒曜石の産地は、全国で 70ヶ所ほど。
サヌカイトも 10ヶ所くらい。 ( 正確ではないけど。 )

それらの石を使った石器は、全国あちこちから出とる。



         3-3石材分布

赤丸が 黒曜石産地。 緑色が、サヌカイト。

わが下呂石 (青丸) は、日本でたった1ヶ所のみからしか出んッ !!

それが、湯ヶ峰。











         2-2湯ヶ峰 遠望

画面中央 やや左、崩れた肌を見せる山。

下呂温泉街を眼下に、そびえ立つ・・・という表現が大げさな、
岐阜県一 小さい火山。











         2-3湯ヶ峰拡大

この崩れた部分より上だけが 火山体。(溶岩ドーム) 
底部の面積は、たった 1平方キロメートルしかないッ!














        2-4住んどる!

そんな湯ヶ峰直下の集落・・・ 
のどかな山村。
むこうにチラッと湯ヶ峰の崩れが見える。














         2-5ふもとの学校

さらに下の方には、県立 益田南高等学校がある。
いや、あった。
数年前、隣の益田高等学校と統合され、益南の名は消滅。













その益南の学生が付けてたバッヂ。
男子は学生服の詰め襟に、女子は胸に・・・・・


          2-6 襟章


「 矢じり 」 を形どっとる。

校歌の3番。

「 縄文の歴史受け継ぎ、湯ヶ峰のふもとに学ぶ、努力こそ我らの命… 」



・・・・・ あかん、ワシ 涙ぐんでまった ・・・・・

そうなんよ。 ワシの母校なんよ。






などと泣いておったらアカン。

なんやったっけ?


あ、そうそう。 下呂石。













         3-6広がり・・・

そんな、「 孤高の下呂石 」 やけど、意外な広がりを見せとる。
岐阜県に多いのはアタリマエやけど、遠くは
千葉県千葉市 六通(ろくつう)神社南遺跡。 青丸のトコ。
約 1万5千年前の遺跡。 旧石器時代末から縄文草創期。


また、古いトコやと、 3万8千年前の
静岡県沼津市 井出丸山(いでまるやま)遺跡。 緑丸。
旧石器時代のはじめも初め、列島に人が来たのが 4万年前やで、
来てすぐ、下呂石の流通が始まったとみえる・・・。



美しい石器・・・ 長野県伊那 神子柴(みこしば)遺跡。 赤丸。
今 日本には、「国宝」としての石器は 無い。
土偶なんかには有るのにね。
もし、石器にも国宝の名誉が与えられるとしたら、この石器だろう・・・
と、研究者たちは言っとる。
長さ 25cmの 槍型尖頭器。まあ、石ヤリです。
それが 下呂石製。















          4-1最も遠い・・・

千葉県 六通神社南遺跡 出土   本物。
普段は未公開。

超貴重な物。 
今回、これをワシがワシの目で見とることに興奮した。  そして、

「 おかえり・・・・・。 」 














                神子柴






        4-3美しい

長野県 神子柴遺跡の 石やり。 (レプリカ)

確かに美しい。 美しすぎる。
もはや芸術品ですらある。

本物をゼッタイ見に行くぞおッ!!


今回は出品されなんだ、最古の下呂石製石器、沼津では公開してあるんやろか?  それもゼヒ見たいもんや!!










          3-1シンポ本番







         3-2本番Ⅱ

 各先生による研究発表が続けられる。

ワシ、もう 目をランランとさせながら聞き入ってまった!













         4-4実演

 昼メシ後 玄関口では、下呂石を使った石器作りの実演があった。  













          4-5実演・大きな石器

大きい下呂石のカタマリを、握りコブシくらいの石で 打ち欠いて
尖頭器を作る。

単に叩いたんでは、まったく形作れないらしい。

それにしても、欠け落ちる剥片のスルドイこと!!

台の上には、紙と 下呂石剥片が置いてあり、
「自由に切ってみて」と書かれてある。

・・・カッターナイフ並みの切れ味。
もちろん、軍手必須!!












          4-6鹿の角で

小さい石器を作るには、木の台に石を置き、鹿のツノで作った棒?の先を押し当てる。 「押圧剥離 おうあつはくり 」 という技法を使う。

ピチピチと、石の細かいカケラが飛ぶ。













         5-1できたよ、と会長

このオジサンが、実は当シンポジウムの実行委員会 会長様。
さっきまで背広着てござったけど、こっちの方が似合う。

たった10分足らずで作りあげた石器は・・・















         5-2みごとな石!鏃

みごとな 石鏃 ( せきぞく・矢じり ) 。

どう見たって、古代人のと遜色ないデキ!

こういうふうになるまでには、とても努力したそうや・・・。
そりゃそうやろ。

でも、大昔のヒトは、これを一刻も早う習得しんと 命に関わるでね~。

ワシも作ってみたいにゃあ。

「簡単ですよ。 矢じりの又の部分の加工さえウマクいくようになれば。」
ですと。
まあ、言うはヤスシ。














         5-3石琴で

会場に戻ると、下呂石で作った 「 石琴 せっきん 」 の演奏会が始まった。

下呂石は、硬いモノで叩くと 高い金属音がするんよ。
で、細長く切った下呂石をいくつも並べて石琴を作ったんやと!

今日は、その石琴での演奏の発表が行なわれた。
目つむって聞けば、鉄琴と全く変わらん音!

童謡メドレーは、硬い話でいっぱいやったアタマをほぐしてくれる。 

















         5-4ディスカッション

午後からは、先生がたと聴衆の質疑応答や、これからの下呂石のアレとかナニとかをディスカッションした。










          5-5堤せんせい

最後に 前夜 公演しとくれた 堤先生が、

「 下呂石は飛騨牛なんかよりハルカに古い、『岐阜県ブランド』 です。
そういう意識で研究してみてはいかがでしょう? 」
と、まとめてくれました。













          5-6考古会館前

下呂考古館の前にあるモニュメント。

下呂石を使い、大きな矢じりの形に組んである。

近寄って見ると、けっこう欠き取られた跡がある。

ワシも、山や川原行って下呂石探すより、手っ取り早う この碑を打ち欠いて持っていくか?!


あ、いちばん初めの 「 石のオモリ? 」 、下呂石やないって・・・。
粘板岩らしいです。







そんなこんなで、ワシにとって有意義な2日間が終わったよ。

・・・ でもね 。。。。。。

下呂石や昔の話も良かったけど、イチバン嬉しかったのは、

金山巨石群 調査委員会 」の美人調査員、
徳田 紫穂ちゃんに 偶然にも こんなトコでまた会えたことです !!!

( おっと、巨石群のHOMEにたどりつけなかったら コチラ をクリックしてね!)


紫穂ちゃん、
「 岩陰遺跡にも、下呂石ゴロゴロころがってますよ。 」

ああ、彼女、考古学にもウンチク深かったんですね!!!




    おしまい。

















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[C732] 勉強になります

 岩石も古代史も興味はありますが、覚えたことをすぐ忘れてしまいます。あと植物も(笑)。何万年も前の石器、宝物として僕もぜひ欲しいです。日常のちっぽけなトラブルなんか吹き飛ばしてくれそうですね。
  • 2011-11-17 23:13
  • こまわり
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[C733] ベテランですね~!

小学生の頃から石集めしてたんですね~、いまだに持ってるって凄いです!

僕も小学生の時変わった石を拾った記憶がありますがたいがい次の日何処かいって忘れてます。(笑)

  • 2011-11-18 02:00
  • asano
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[C734] マイブーム

えらそうに、「小学生の頃から…」なんて言ってますが、今回の機会に思い出してゴソゴソ引っ張りだしてきただけです。

一時的な興味の波が、対象を変えながら何度も寄せては引き…の繰り返しで、それが去るとキレイに忘れてしまうのは、私も同じです。

ただ、貧乏性なので その渦中に集めたモノは捨てられず、ガラクタの山ができてます(汗)。

知識は、山ガラクタのようには 蓄積されないのが不思議です。(笑)
  • 2011-11-18 06:57
  • とまぢふ
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[C735] 湯ヶ峰と校歌39

♪ 白鷺の伝えを胸に仰ぐ湯ヶ峰~

と始まるのが下呂小学校の校歌です。
下呂小出身者は私だけですが、時々それ(校歌)を歌うので他の家族も歌えるようになってしまいました。
益南の校歌も良かったよねぇ。 歌うと泣ける時があります。
  • 2011-11-20 11:33
  • tokumokun
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[C736] う・・・歌ってるんですか?

家族のかたも覚えてしまうほど、小学校の校歌を今でも口ずさむ・・・。

半世紀ほど生きた人で、そんな方いらっしゃるでしょうか? 
頭が下がります!!

「湯ヶ峰」は、下呂小の校歌にも歌われてる・・・
やはり旧下呂町の象徴なんですね!!

益南の校歌、最近 意識して暗唱してます。
すごく勇気と やる気がおきます!
学生の頃は 「軟弱な歌詞・メロやな~」と思っていたのに。

今度いっしょに歌いましょうね!

  • 2011-11-21 23:00
  • とまぢふ
  • URL
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[C737] 管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

[C738] 楽しみにしています!

申し訳有りません!
謎の中国人からは、想像も付きませんでした。
先日。多度大社にて、G隊長との会話の中で、コウモリ様の話題が出ました。が、詳しい内容までは、分かりませんでしたので、勝手な事申し上げまして、堂かお許し下さい。
しかしながら、HPのブログは、NHK(TV)と、同じ?、私のようにコウモリ野朗ブログを、楽しみにして、元気を頂いている者が居ると言う事も又事実ですので、無理の無い更新を、お願いします。
*(737)のコメントご迷惑で無ければ、オープンにしてください。
  • 2011-11-30 09:30
  • Sibata
  • URL
  • 編集

[C739] 硬い話題 ・・・ と、Sibataさんからいただいたコメントです。

以下、「管理者のみ閲覧できる」 に、Sibataさんが寄せてくださったコメントです。
リクエスト? いただきましたので、開きます。




こうもり野郎話題の更新お願いします。何時も楽しみにしています。冬眠には、未だ早いですよ!
小学生時に、ひろた石(石器)大事に残す、凄いですね!次は、軟らかい話題で、お願いします。
布団の中~ムカデ最高でした、コウモリから元気な笑いを、頂ました、ありがとう!
コウモリ野朗 目覚めよ!
  • 2011-11-30 23:24
  • とまぢふ
  • URL
  • 編集

[C740] 本当にありがたいことです。

涙が出そうです。

実は、ウチん中で ゴタゴタがありまして・・・。

母親の痴呆が進み、夜遅くの帰宅が ままならない。
残業もしにくい (遅くなる・・・と電話しても、それを覚えておらず 『探しに行く』 と、徘徊する)状態になってました。

ブログ書くような 浮ついた気持ちになれない日々が続き、先日、その母が 部屋で転倒・骨折にいたり・・・ 泣きっ面にハチでした。

そんな時、「管理人だけが見れる」コメントが。

読めば、なんと心温まるハゲましではありませんか!
もう、いっそのこと、このババアとワシの格闘の数週間をアップしようかな? などという気さえ起こさせてくれました。

もうちょっと落ち着いたら、またトロクサイ記事の数々で再起動します!

ほんとうに ありがとうございました!!

  • 2011-11-30 23:36
  • とまぢふ
  • URL
  • 編集

[C741] みんなの願い… がんばって!

もう十分すぎるほど頑張っているんでしょう。

母上様のこと、読者側としても とても心配です。
どうかうまく乗り切れるように… 願っています。
  • 2011-12-01 21:10
  • tokumokun
  • URL
  • 編集

[C742] みなさん、ありがとね。 (嬉し涙 、ダーダー!)

いや、ガンバッテるのは、私ではなく 妹です。

私は そのお陰で会社へも行け、残業さえできてます。

ひとりでババアのメンドウをみてる妹に、頭がさがるのみです。
愛知県から出向いて・・・。


それにつけても、今回のことで 皆さんから暖かい言葉を たくさんいただき、本当に感謝しております。

でも実は、そんなに悲壮感は持ってない、ノー天気な こうもり野郎な私です。
(なので、妹に叱られっぱなし!!)

まあ、甲斐性無しが招いた、当然の帰結ですよね。
ダハハ・・・

テキトーにやってますから、「なんや、心配して損こいた!」 感覚でいてもらってけっこうですよ。
  • 2011-12-01 22:26
  • とまぢふ
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Author:とまぢふ
こっちがイイと言われれば そっちにフラフラ、
あっちがイイと言われれば、またその方にヒラヒラ・・・
優柔不断な野郎です。

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